2007年7月17日火曜日

もしも私が留学しなかったら。

アメリカに来てはや8年。
正直、こんなに続くとは思ってもいなかったし、ましてや大学卒業して、資格を取って、大学院に行くなんて思ってもみなかった。
怠け者で、努力が嫌い、なんとなく生きていた私がここまで出来たのは何でだろうとたまに考える事がある。
渡米前の私は、結構お手上げ状態だった。英語のレッスンもなんとなく通い、宿題もキチンとしてるわけではなかった。他の生徒さんはキチンと目標に向かってコツコツと努力している中、私だけは浮いていた。
正直、留学するなんて私には不可能、そう思っていた。中学のときにはあんなに好きだった英語も、高校の終わりには苦痛にさえなった。
同級生が進学していく中、私は一人進学しなかった。担任の勧めで、とある大学の推薦があると切り出されたものの断った。表向きには留学するといったが、漠然とし見えない目標に私は不安になった。
この頃私は軽い引きこもりになったのであろう、家からもあまり出ずに友達とも会わなくなった。

そんな矢先、祖父が亡くなった。

身内の葬式に出るのはこれで二度目だが、一度目は幼い頃のためあまり記憶にはなかった。祖父とは年に一度あったら良いような関係で、特別親しい間柄ではなかった。
お線香を上げ、棺おけに挨拶をし、火葬場に向かった。
親戚と談笑していると、係りの人が火葬が終わったと告げに来た。
火葬場は今焼いたばかりであろう祖父の残り火で、熱かった。
お骨が身内の前に並べられ、お骨拾いをしたとき、そのときの骨の軽さに私は驚いた。

人間誰でも死んだらこうなるのか。
フワフワ生きていたら私が初めて生きるということに始めて正面から向き合った時だったのかもしれない。

それからは、とんとん拍子とはいかないが、なんとなく留学という流れになり今に至る。

ここまで続けられたのは、勿論私の意地やプライドもあったかもしれないが、いまだに忘れられない火葬場での熱と祖父の骨に支えられたのかもしれない。

もし私が留学していなかったら。

多分それでも私は留学しているのかもしれない。
今とは違う形かもしれないが、この国に来て何かをしていたに違いないと思う。

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